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panpanya先生『魚社会』白泉社 感想。

収録作の中で気に入ったのは『カステラ風蒸しケーキ物語』。
山崎製パンの『カステラ風蒸しケーキ』に関するお話なのですが、
これが本当、「好き」に満ちていて読んでいるこちらも
いつの間にか『カステラ風蒸しケーキ』に魅了されていく、
と申しますか。
「好き」に満ちて、といっても割と淡々としているところがまた、
生々しくありまして。
とても好感触、と申しますか。
私も一度食べて、おいしかった記憶がありますが、
なんとも体重増が気になるお年頃ですので、
リピートするまでは至らなかったのですよね……。
んで、この作品を読んでつい、
『チーズ蒸しケーキ』を買って食べたのでありました(笑)。
やっぱり、美味しいなぁ。
『カステラ風蒸しケーキ』が復活したら、
今度はもう少し食べる回数増やしてみよう、と思った次第です。

『おみやげの心得』も面白かったです。
おみやげ、買うの大好きなんですよね、なぜか。
これがいいかな、あれがいいかな、と、
あげる人のことを考えつつも、
自分の好みだったり、その旅先やら帰省先の特産などを考えて……
作中の舞台も、かなり面白いところを突いていて。
単純なおみやげ、ではすまない場所とでもいうのか、
微妙ないいところ、持ってくるなぁ、と。
割と、非日常感のあるスポットですしね。
私みたいな車を運転しない者にとっては、
ほんと、滅多にいけないところでもありますし。

表題作『魚社会』は、SFちっくな味わいもあり。
これまた楽しく。
ちょっと序盤のあたりなどは世知辛い感じもありましたけれど。
オチも好きな感じでありました。

『はるかな旅』は、子供の頃の妄想的な面白さがあり好感触。
「どこまで続いているんだろう?」
みたいなこと、考えた、妄想したこと、あったなぁ、
などと思い出しました。
最近はそんなことも少なくなって……
ちょいと、感覚を研ぎ澄まさないといかんなぁ、
と思ったことでありました。
ぼーっと歳を重ねてもつまらないですしね。

などなど……panpanya先生『魚社会』、満喫させていただいた次第です。
読後、ちょいとばかし、日常へ向ける視点が変わるような感じが、
なんだか良いのですよね。

次巻も楽しみに、まったりお待ちしております。

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